更新していないホームページは危険?PHP・WordPressの脆弱性と保守の基本

会社のホームページは、数年前と同じように表示されていれば「問題なく動いている」と思いがちです。しかし、画面の裏側で使われているPHPやWordPress、プラグインには更新とサポート期限があります。見た目に変化がなくても、古い状態のまま使い続けることで危険が増している場合があります。
サイバー攻撃の対象になるのは大企業だけではありません。攻撃者は一社ずつ選ぶとは限らず、古い仕組みや既知の弱点が残るサイトを機械的に探します。更新頻度の少ない中小企業の会社案内サイトも例外ではありません。
- 表示されているサイトでも安全とは限らない理由
- 古いPHP・WordPressで起こり得る問題
- 自社で確認したい7項目
- 安全な更新と保守の考え方
「表示されている」と「安全に運用できている」は別です
ホームページは建物に似ています。外観がきれいでも、鍵や配線が古くなっていることがあります。WordPressサイトも、PHP、WordPress本体、テーマ、プラグイン、サーバーなどが組み合わさって動いています。一つだけを更新すればよいのではなく、互いの対応状況を見ながら全体を維持する必要があります。
放置することで起こり得る5つの問題
1.見つかった脆弱性が修正されない
PHPにはバージョンごとにサポート期間があります。サポート終了後は、新たな問題が見つかっても原則として修正版が提供されません。開発が終了したテーマやプラグインも同様です。「今まで何も起きなかった」ことは、今後も安全であることの証明にはなりません。
2.身に覚えのないページを作られる
不正に侵入されると、海外向けの広告ページや不審なリンクを追加されることがあります。トップページが変わらず、運営者が長く気づかないケースもあります。検索結果に見覚えのないページ名が出た場合は早めの確認が必要です。
3.お問い合わせ情報が漏えいする可能性がある
フォームには氏名、会社名、メールアドレス、相談内容などが入力されます。小さな会社案内サイトでも、情報を預かる窓口であることに変わりはありません。
4.迷惑メールや攻撃の中継に使われる
サーバーに不正なプログラムを置かれ、迷惑メールの送信や別サイトへの攻撃に悪用されることがあります。自社ドメインから送る通常のメールまで届きにくくなる可能性もあります。
5.復旧に時間と費用がかかる
被害後は、不正ファイルの調査、データ復元、パスワード変更、更新、再発防止まで必要です。正常なバックアップがなければ、サイトを作り直すこともあります。日頃の保守は、万一の際に戻せる状態を準備する仕事でもあります。
まず確認したい7つの項目
- 現在のPHPのバージョンを把握している
- WordPress本体が長期間未更新になっていない
- プラグインやテーマに大量の更新通知が残っていない
- 使わないプラグイン、テーマ、管理者アカウントを整理している
- お問い合わせフォームを定期的に送信テストしている
- バックアップの保存先と保存期間を把握している
- バックアップから復元できることを確認している
分からない項目があっても、直ちに被害が出ているという意味ではありません。ただし、制作会社やサーバー会社へ現在の状態を確認するきっかけになります。
いきなり全部を更新するのも危険です
長く手を入れていないサイトで更新ボタンをまとめて押すことはおすすめできません。古いテーマやプラグインが新しいPHPに対応せず、画面が真っ白になる、表示が崩れる、フォームが動かなくなる、といった問題が起こることがあるためです。
現状調査、バックアップ、更新対象の整理、互換性の確認、更新作業、表示とフォームの動作確認までを一連の作業として考えます。古いサイトは、本番環境だけで試さず、事前に検証できる環境を用意すると安心です。
PHPだけを新しくすれば終わりではありません。組み合わせを見ながら段階的に進め、更新が難しい場合は必要な内容を残して作り直す方が、長期的な負担を減らせることもあります。
ホームページ保守で行うこと
保守サービスは、文章や写真の差し替えだけではありません。サイトを継続して使える状態に保ち、異常に早く気づき、復旧しやすくするための仕事です。
- 現状確認PHP、WordPress、テーマ、プラグインの状態を確認します。
- バックアップ問題が起きたときに戻せる状態を整えます。
- 段階的な更新互換性を見ながら必要なものを更新します。
- 動作確認主要ページ、スマートフォン、フォームを確認します。
- 不要機能の整理使わない機能やアカウントを減らします。
- トラブル対応不審な変化や表示不具合の状況を確認します。
作業範囲はサイトや契約内容により異なります。どの対策でも被害を完全にゼロにはできませんが、更新状況を把握し、バックアップと確認を続けることで、リスクを減らし、万一の対応を早められます。
制作会社と連絡が取れない場合も、現状確認から
担当者が退職した、以前の制作会社と連絡が取れない、サーバーやドメインの契約先が分からない。このようなサイトも少なくありません。すぐにリニューアルを決めず、まずログイン情報や契約状況を整理し、今のサイトを保守して使うのか、修正するのか、作り直すのかを判断します。
ホームページは公開した日が完成ではありません。会社の窓口として使い続けるには、建物や車と同じように定期的な点検が必要です。「しばらく何もしていない」と気づいたときが見直しのタイミングです。
※2026年10月時点。サポート状況は変更されるため、公開後も公式情報をご確認ください。

